先週末、栃木県から友人二人が京都に遊びにきました。
「ちゃんとした京料理を食べてみたい」
そんな要望に、子育てまっただ中の私は、京料理ですか。。。
どこにお連れしましょうか。

思い起こせば結婚する前20代後半の頃、京都での作家活動も
のって来たころだったのでしょうか。色んな先輩作家さん方々の
集まりやお食事会、お茶会に連れて行って頂いたりして、ええもん
を観せて頂いたり、会話の中から出てくる色んなことから、学ぶことの
多い時期でした。その時代に出会った桐箱屋さんや、陶芸作家さん、ガラス作家
さんなどには今も尚作品に合わせて創って頂いたりしております。
その頃、”杢兵衛”というお店の若旦那様と知り合っておりました。
陶芸にも大変お詳しく、字も独特の達筆で、お料理以外にも
もの凄く熱心な若旦那は、私の父が宮絵師をしていると言いましたら、
父の工房まで見学に来られ、沢山の太い本が並ぶアトリエにワクワクなされ、
それらを見ては父と私のサッパリ分からぬ会話で盛り上がっておられました。

そうや、杢兵衛さんに行こう、
子供が生まれてから伺っておりませんから、もう三年以上も行っておりません。
三年以上振りにお伺いする、祇園花見小路にある杢兵衛さん。
3人女性と3歳の我が子を気さくな若旦那様がお迎えしてくれました。
落ち着く御座敷で頂いた京料理。ほんまにおいしゅうございました。
目にします器、お料理、お味、もう一つ一つが目と心に染み渡り、
”三回我慢してでもえーもん食べにいきなさい”そう教えを受けている
言葉が頭に巡り廻りました。そう言われても、子供を誰かに預けてまで、
小さい子供を連れてまで食べに行く気分になれません。そう思って
来ましたが、あかん!食べなあかん!見なあかん。感じなあかん、
ほんまそう思わされました。

お食事を終え、若旦那さまがご挨拶に来て下さり、
素朴な質問、「奥様は毎日どのようなお料理をなさるのですか?」
と伺いましたら、どこと変わらぬ普通の日常を気さくにお話して下さり、
しかし週末は僕が作ることが多いですよ、でも和食は自宅ではできませんから、
洋食が多いですね。

楽しい会話も終わり、私達はお店を後にしましたが、
自宅ではできないんだ。お出汁を取るだけじゃないお手間が
かかっているのやね。日本料理って世界一かもね。奥が深いね。
簡単には学べないね。そんな会話が止まりませんでした。

ほんま奥の深いお味でした。
そしてこれからは無理をしてでも、年に一回でも通わせて頂こう、
そう思った出来事でした。

お写真は、京料理やございません。
ハルモ二(意 おばあちゃん 私の義母)が韓国から9月頃
送ってくれたお惣菜?です。今回は開けた瞬間に、
”わ!赤じゃない!”という印象でした。
雑に切られたお大根、固めに煮られたお豆さん、間違った種類のスルメを
買ってしまったと、ハルモ二適当にお料理しやがったな、思わざるお得ない
ちょいとお砂糖じゃりじゃりのスルメちゃん。
これらもまた京料理とは違う”心に染みる”贅沢な送りものです。

オカンの味と、京料理、どちらも本物でございます。
先ずは韓国語をマスターして、ハルモ二の味を伝授したいと
思いますが、その道もまだまだ長くかかりそうです。

35歳、単語がなかなか覚えられまへん。。。