制作段階のお写真をお楽しみください。

どの作品も最初は必ず草花の写真を横に置き、そこからのインスピレーションから
下書き一切無しで直接截金を施していきます。
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最初に箱を創る上で古材を選ばせて頂きました。
良いなぁと思ったのが長く台所で使われ煤で黒くすすけた伝金閣寺の古板。
板を選び箱にしていただく。それは反物を着物に仕立てて頂くのと同じような感じです。
天井板でしたので桟がかかっていた部分には煤が当たらなく生地肌が残っていました。
そこも箱に入れてほしい。
「この部分を箱のどこに入れるか考えるのは簡単なことではないのだよ。」
その方の目利きが勝負です。
貴重な古材を箱に。そこに截金をするという大きな使命に緊張とプレッシャーで震える思いでした。
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柄をどこから入れるか、どう入れて行くか毎日が緊張の連続。
毎度子育て家事その上学校役員、町内班員などの日常生活に追われつつの制作、
作品に入るモチベーション、日々の生活との気持ちのバランスが難しい。
しかし創るときはグッと集中します。
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音が抜ける穴を綺麗に加工して頂いて、
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どんどん柄を入れて行く。
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ネジは茶釜師大西清右衛門さんにお願い致しました。
お茶のこと何一つ知らない私ですのに快く受け入れて下さったお人柄に、
御礼を申しますその額を畳になすりつけながら帰りたくなるくらい感激致しました。
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ここからカノンが流れます。
流れているときネジがゆっくり回転します。
何度も何度も聴きながら制作致しました。

タイトル 想(そう)に奏でる 美しいころ