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さて引き続き広告のデザイン。
これが、この小さなチラシ一枚のデザインを完成するだけで
マー!なんぼほどパソコンでどやり取りしましたでしょうか。
やり取りしていてお相手の方は見えないのですが、私思いました。
”有名四大卒の方はちゃうな~”と。
どこの大学をお出になったのか存知あげませんが、
なんというか、やはり私とはちゃう。
しかしその時は私もそんなことは言ってられません。
私なりにも真剣でした。終わってみればやり取りしてた間の
サンプル作品写真記録を見ているととても面白い。
こういうやり取りを経てあの広告になったとお話しするのは
皆様にお見せしてご説明するのに大変興味深いだろうと、
一応やっぱり大企業ですので

「ボツになった色々なやつをブログに載せて良いですか?」と、
お伺いしたのですが、

「世の中に公開されていないものは一切公表しては
いけません。」

との大企業らしいお返事が届きました。

残念。

ですので書いてご説明するしかないのです。

先ず最初にミーティングで、

”広告のデザインはそのまま展示場の壁にも
引き伸ばしたいのでA3サイズくらいの紙に描いて欲しい”
という内容でした。

しかし納期が本当にタイトで截金でやるには時間がない。
ペン画でも綺麗だからペン画で行きましょうとなりました。
描くものはクローバーです。クローバーを自由に
描いてもらって構わないがクローバーモチーフには
一つだけ四つ葉のクローバーが付いているのがポイントと
なってますので四つ葉のクローバーを一つどこかに
描いて下さい。描いてもらう四つ葉はミキモトのピアスの
キャッチの部分がそのようになってます。
と、
”キャッチの図面非公開です。厳重に扱って下さい。”と言われ
ピアスのキャッチの図面が送られてきました。

なんかとにかく全ての工程一つ一つがド偉い緊張します。

で、震える思いでA3の真っ白の紙に100万円のペンで描きました。

くくく。

というのは冗談で”100円”のペンです。
そのペンが昔から一番描き易いです。

5時間ほどで完成し即送る。

ふぅ~~~~。

すると後日ちょっと描きすぎかもしれません。
もっとシンプルに、とお返事が。

広告のデザインはネックレスの全体が真ん中に入り、
截金は公告の右角に少し入る程度ですので端に
入るデザインで宜しくお願いします。

とのお返事。

エ!!!!最初と全然違うやん!

アタフタ。

取りあえず、紙の隅っこに合うようなデザインを
B4サイズの紙に次は截金で描いてみます。
隅っこなのでさして時間もかかりませんから
何パターンか描きました。
真珠は海から生まれるので
波からクローバーが弾き出ている感じや、
ただラインだけ描いた感じのものなど
4パターンくらいでしょうか。

それからクローバーのデザインもここで初めて截金
でおこしてみました。
”シンプルに”と言われたことが頭にあったために、
円を三枚描きそれを三つ葉のクローバーのように
デザインしました。悪くないデザインです。

しかしウ~~~~ン、なんか心に響くもんがないなぁ・・・・。

やっぱり、

私が描くなら、と自分スタイルのクローバーの葉を
一枚描きました。

それらを全部持参して東京に出向くことになりました。

それで広告のデザイン会議となったわけですが、

「シンプルにと言われましたのでこのクローバーをデザインしましたが、
これはパターンで描けますので截金が出来る方だったらこのデザインを言えばどの
方でもできます。しかしこちらの自由に私が描いた截金は私しか描けません。」

とご説明しましたらMIKIMOTOさまが

「それなら是非安川さんしか描けない方で行きましょう!」

と言って下さり最初にペン画で描いたちょっと濃密過ぎると
言われたA3サイズのペン画の一部分を抜粋して、
この部分を截金で起こしてくれますか?となったのです。

自由に描くのが得意ですので、ペン画で描いたやつの一部分を
抜粋してこのように描いてとなると、模写みたいな手法に
なるので自由に描けない。
となると私としては、

ゲ!!!!面倒臭いな!

と心では正直思ったわけですが、やるしかないんだよ。
そのペン画のデザインを左に置いて、
チラチラ見ながら同じように白い紙に截金に起こしました。

そしてそれを提出しましたら広告の背景の色、
ネックレスをどのように入れるか、
文字をどのように入れるなどは広告デザイナーのプロにお任せです。

出来上がったのが上記のデザインでした。

お気づきでしたか?どこかにピアスのキャッチ部分の
四つ葉のクローバーが描かれています。

この広告一枚でもド偉いやり取りをしてからやっとここまで
完成するのですから截金おばちゃんはとても感激致しました。

MIKIMOTO展を観に行ってくれた友人から後日
写メールが送られてきて、私知らなかったのですが、
これが大きな看板になっておりました。
s-まこちゃん
友人が感激して看板の前に立った写真を
送って来てくれました。(マコちゃんほんまにありがとう!!!)

まさか自分がしたデザインがMIKIMOTOというブランドと
このような大きな看板になるとは夢にも思っていませんでした。

いや~~~~~~

感無量!

次は会場で発表していた木製マネキンについて書きたとうございますが、
MIKIMOTOも終わって一ヶ月も経つのに話長い。
自分に突っ込みます。

まだ話してんの?!

てなわけでそのうち書くとしましょうか。

明日は空間のお勉強、
若冲を観に相国寺に行ってまいります。
一緒にまいりますのは
70歳の美女と、
80歳の美女です。
人生の先輩に色々学んで参ります。

それでは皆様ごきげんよう♥